熊本市のピアノとリトミック講師 常定美奈子のブログです

ピアノの練習、おうちの方に知って欲しいこと~身につけたい力2

ピアノのレッスンで身につけたい力は次の3つ。今回は2つ目についてです。

1. 音楽についての知識を知ること・楽譜を読めること・ピアノが弾けるようになること
 
2. 練習が出来るようになること。
 
3. 自分との付き合い方を覚えること。

 

なかなか手ごわい「2. 練習が出来るようになること」

 

ピアノを弾けるようになるためには「必ず必要」な「練習」

 

「ピアノ習います!頑張ります!」

 

と習い始めの日に決心して、それから毎日ピアノが触れるお子さんはどのくらいでしょうか?

半分いるかなあ・・?くらいではないかと思います。

 

大人だって「○○始めるぞ!」と気合を入れたものの忙しさにかまけて・・・って事、多くないですか?

ダイエット、英会話、お料理、資格取得のための勉強・・・。

決めたら毎日無理なく出来るという人は憧れです、うらやましい。私も続かなかったもの沢山あります・・。

 

そもそも「毎日の練習」というのはハードルが高いのです。大人でも覚悟がいるものを子どもがすんなり出来るかというと、やっぱりそうではないですよね。

 

そして、ピアノは長く習い続けるもの、飽きてくるときもあれば、忙しい時もあれば、嫌になる時だってあるでしょう。ずーっと練習を続けていくのはやはり工夫が必要なのです。最初のころに毎日出来てたお子さんも、運動会の練習が・・、お出かけが・・となってくると途端に怪しくなってきます。

 

そして、もう一つの大きな練習がなかなかできない原因が「練習の仕方がわからない」です。

 

ピアノの練習は「宿題に出た曲を弾けるようになるように練習すること」が多いと思います。

 

「弾けるようになる」ためには、

 

出来ないところを探して

原因を考え

そこだけを取り出して必要な練習をし

その部分が出来たかどうか確認し

最初から弾いても出来るか

テンポを上げても出来るかチェックする

必要だったらまた出来ないところを同じ手順でやっていく

 

必要があります。

PDCAサイクル【計画(plan)、実行(do)、評価(check)、改善(act)】を回していく必要があるのです。

 

小学校低学年のお子さんにはまだそれを「自分で」やった経験はほとんどありません。未就学児ならなおさら。

 

勉強だったら中学生になってからの試験勉強レベルではないかなあ、と思います。小学校の宿題は「渡された問題を解いて答え合わせをする」です。間違っていたらやり直しはするかな?

でも、何がわかってなくてどうすれば出来るようになるのか、出来るようになるために間違った問題を10回!ほかの問題と混ぜても出来るか10問!(それも自分で探して)なんてしないですよね。

 

ピアノのレッスンは毎日あるわけではなく、週に一回なので自分でやるべきことが多く、手順もとても多いです。練習そのものに「練習」が必要なのです。

 

まず「練習そのものに練習がいる」ということ、「毎日の練習」はそもそも大人でもハードルが高いこと。

 

この2つを頭に入れてお子さんの成長を見守っていただけたらな、と思います。

 

練習のやり方はレッスンの時に少しずつ体験していきます。家では同じようにやってみる事からスタートです。そしてレッスンで一緒に考えたプランを自分でやってみる、レッスン中に自分でプランを立ててみる、それを家に持ち帰ってやってみる、という風に徐々に自立できるように進んでいきます。

 

練習そのものは基本めんどくさいものですが、最大のご褒美は「出来るようになること」です。

 

「出来るようになる喜び」がめんどくさい練習を「頑張ってみるか」と乗り越えていける力になっていきます。

 

まずは習い始めの新鮮なうちに「出来るようになる喜び」をしっかりと味わってほしいと思います。「練習できる子」への一歩です。

 

そのためには「毎日の練習」

 

毎日の生活の中にピアノの練習時間を組み込む必要があります。なかなか子供の力では難しいことが多いです。ピアノが練習できる仕組みをおうちの中で作るお手伝いをお願いしたいです。タイミングよく、順序良くすればそう難しいことではありません。最初はほんのわずかな時間で済む練習です。お子さんの様子をお伺いしながら「こんな風にやってみるのはどうですか?」と提案していきますので一緒に試行錯誤しながら進んでいきましょう。

 

おうちでの練習に関しては私に出来ることは限界があります。家までついていきたいーと思う事も多々あります(笑)教える必要はないです。出来てると思ってたらお母さんの力だった、では本人の力がつくのが遅くなります。わからないところはそのまま持ってきてください。生活の中にピアノを存在させる。そこだけぜひご協力をお願いいたします。

 

最初の1年+αをしっかりやれれば後は基本的には自分でやっていけます。お勧めは一人でやれるまでの期間を、小学校入学前に済ませてしまう事。小学校に入ったら自立していく子が多いです。うまく流れに乗るとちゃんと練習できる子に育ちますよ。

 

なんだか大変さを強調してしまった気分もしますが、この大変な「練習」が出来るようになるって素晴らしいと思いませんか?

 

ピアノは脳に良いとかいろいろ聞きますが、脳に良いかはさておき、毎日の生活の中に練習時間を確保し、出来ない事を出来るようにする力を身につければ勉強、その他、出来ないはずがない、と思います。勉強とピアノはそっくりで、ピアノの様子を見てテストでどんな間違いが多いか当てる特技も持ってますよ!

 

ピアノを習う目的の一つは「やりたいと思う事・出来ない事を出来るようにするプロセスを学ぶこと。学習能力そのものを高めること」だと思っています。ピアノはもし将来弾かなくなっても、この能力は残ります。個人レッスンだからみっちり出来ることでもあります。一番おいしいところ!と私は思っています。しっかり取り組んでみませんか?

 

「練習」もある程度出来るようになった・・そしたら・・・。

「3. 自分との付き合い方を覚えること」に続きます。

 

 

 

 

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