ピアノのレッスンで身につけたい力は次の3つ。今回は3つ目についてです。
1. 音楽についての知識を知ること・楽譜を読めること・ピアノが弾けるようになること
2. 練習が出来るようになること。
3. 自分との付き合い方を覚えること。
自分との付き合い方って何でしょう?
「2・練習が出来るようになること」と近いのですが、もっと長期的に時間をかけて覚えてほしいことです。
習い始めのころは新鮮で楽しかったピアノ、しばらくたつと停滞期がやって来ます。
なんだか同じような事の繰り返し
上手になっていっている気がしなくなってくる
それに加えて、
他のお稽古事・部活が加わって忙しくなった
何かのきっかけで練習習慣が崩れた
ちょっと難しくなってきて苦手が出来てきた
などが加わると途端に調子が悪くなってきます。
何事も続けるのは大変。
さて、そんな時にどのようにその停滞期を乗り切るのか・・。
方法はその時の状況に合わせて沢山ありますよね。
ピアノの練習の内容を少し変えてみる。新鮮に感じられるものを入れてみるというのもあれば、まじめに苦手に取り組んでみるのもあり、少しのんびりしてみる方法もあれば、逆に刺激的に進むよ進むよーという方法も。
生活の時間を見直してみたり、練習のやり方を考え直してみたり。
進度が進むと練習のやり方もレベルアップする必要があります。はじめと同じ方法ではうまくいかなくなる時があるので、その時はもう一度練習のやり方を覚えなおさないといけません。それが原因で停滞してしまうお子さんも多いです。生活が変わった場合はやはり「いつ練習するのか」とか「練習に対する考え方」を変える必要がある時もあります。
そうやって一度乗り越えて調子よく行っていても、しばらくたつとまた次の停滞期が・・・。
何度も何度もそれを繰り返して中学生になり、高校生になるのです。
その経験の中から学ぶことは多いと考えています。
まずは
一度嫌になっても、また楽しくなる時が来る
『もう出来ない』と思ったら『終わり』ではない、そこから始める新しい道が必ずある
この2つを経験して実感してほしいのです。
中学生になると忙しくなり、練習がほとんどできなくなる時があります。中1の一学期は来るだけで精一杯。練習‥?そんなものいつするの?という状況にほぼ全員置かれます。
その時は中学生用に練習方法を変えてます。少しの時間で細く長く続けられるように。
でも「その少しの時間で出来ること」でも「意外と弾けるようになる」という事に気が付くと少しの練習が続けられるようになります。
いつもはピアノの優先度はそんなに高くなくても、発表会などの時には優先度を上げて少し頑張ってみる、そんな風にやっていくうちにいつの間にかに忙しい毎日の少しの時間の練習で上手に練習できるようになっているようです。
時間がないのはいつもの事でも、「今は勉強」「今は部活」「今はピアノ」優先度を切り替えながらやっていくことが出来るようになると良いなあと思っています。その中でもまた波はやってくるのですけどね。それも乗り越えながら「少しの努力でも継続したら大きな結果が待っている」事をぜひ体験して欲しいというのが切なる願いです。
どんなに好きな事でも、どんなにやりたいことでも、調子のよい時と悪い時、波はやってきます。
大人になって「忙しくない」ことはまず無いはず。
「波の乗り越え方」と「忙しい時の継続の仕方」
本当はやりたいのにやりたくなくなった時の自分、忙しくてあきらめそうになる自分、との付き合い方、覚えてくれたら心から嬉しいです。
でも、完全に自分でコントロールしているわけではない(その都度話はしていますが私と二人三脚)ので、もしかしたら忘れてしまうかもしれないな、とも思います。それでも体験は残るのでその後の人生にきっと役に立つと思うのです。
「生きる力を育てる」お稽古事の役割の一つだと思います。「波の乗り越え方」と「忙しい時の継続の仕方」これもピアノのレッスンの中で体験できる「生きる力」です。ほかにもいーっぱいありますよ、身につけてほしい生きる力。
「ピアノを弾ける」だけではない「成長の時間」を一緒に過ごさせてもらえるのは私の幸せです。(なので練習しなくなったりしたときに「ご迷惑をおかけして・・」とかよく言われますが、お気になさらず。実はすごーく好きな時間かも)
山あり谷あり、大変な長い道のりではありますが、一緒に気楽に希望をもって過ごしていきましょう。